「あ~。ついに来たか。」
1年生だったタマの宿題に足し算のプリントが入っていました。
プリントにはこんな物が。
ナンバーライン
このチャチくさい「紙製定規」のような物。
これは「ナンバーライン」と呼ばれる物。
私の住む学校区では、普通学級も特別支援学級も、みんなこのナンバーラインを使って計算を学ぶというのです。
「なので、自宅でもナンバーラインで計算の練習をして下さい。」と、担任からメモも。

使い方はコチラ。
例えば、1+1なら
①「最初の数字は?」→「1」
②指で数字の「1」を押さえる。
③「足し算だから右にジャンプですよ。」→「次の数字は?」→「1」
④「そうですね。1ですね。じゃあ、いくつジャンプするのかな?」→「1つ」
➄「そうですね。じゃあ1つジャンプしましょう。」→「指はどの数字の上かな?」
⑥「2!」
⑦「そうです。1+1=2です。」

ナンバーラインでの計算方法を見た時の私の素直な意見。
こりゃダメだ。」

1+1=2のような足し算の基本を把握するのに、
余計なステップが多すぎる
と思ったからです。
タマの様に言葉の聞き取りが苦手な子供達には「はぁ?」となる事間違いなし。
つまりは「説明が難しすぎる」「もっと簡潔にしてくれ」なのです。

私は近所の1ドルショップに走りました。
そこでゲットした物は...。
●ミニぽわぽわセット
●小魚デラックスセット(プラスチック製のおもちゃ)

ぽわぽわは、「エルビス事件」でお馴染みのアイテム。笑
タマにとって「丸い物」は目からハートの大好きな形。←タマは「丸フェチ」で有名。
ましてやぽわぽわと来れば、タマの視線は釘づけ。

魚は、年齢と共に増えてきたタマの大好きな物の1つ。
絵を描く事が大好きなタマ。この頃描いていた絵はほとんどが魚。←タマは「海の生物」が大好き。
タマのお気にの映画「ニモ」に出てくる青い魚、ドリー「そっくりさん」の小魚デラックスセットとなれば、これまたタマの視線は釘づけ。

ABAでの重要なポイントの1つに、「相手のアテンションをしっかり掴む」があります。
「視線が合いにくい」という特徴が自閉症にはありますが、ここで言う「アテンションを掴む」というのは、ずーっと相手の目を見ていなくてはダメという意味ではありません。
数秒でもレッスンの出だし・途中に話し手の目を見てくれればいいのです。
「ちゃんと聞いている・理解している」というのは本人の表情から読み取れますから。

【余談】いわゆる「健常人」の私達でもペットの犬・猫でも、相手の目をずーと見ている事はありませんから。笑
これでは話し手も妙な心地悪さを感じてしまいますよね。
以前、読んだ心理学の本にも書いてありましたが、人と話す時には、誰でもだいたい7秒に1度は相手から目を離しているそうです。もし、ずっと目を見ている人がいたら、その人はサイコパス、もしくは、非常に攻撃的な性質の人らしいです。

くっくっく。これで計算はバッチリなはず。」
成功をすぐそこに感じ、湧き上がる希望に1ドルショップで既に独りほくそ笑む私。
ただの怪しい女だった事は確実ですが、そんな事はどうでもいいのです。
タマがついに計算ができる時が来ると思うと、その進歩が嬉しくて嬉しくて仕方がなかったので。

そうです。
ナンバーラインでの計算は却下し、タマの好きなアイテムをテーブルに乗せて、実際に触って、見てという地味な、、、っというか「普通」の方法でタマに計算のコンセプト・パターンに気づいてもらおうと思ったのです。

まずはぽわぽわでトライ。
満面の笑みでぽわぽわに釘づけ→私よりぽわぽわ→「きゃ~‼」っとこれ以上ない幸せ感いっぱいの歓声をあげる→まるで大金持ちが札束を空中にバラまくように、100以上もの全ぽわぽわを空中に投上げる→さっきまで「あぶあぶ」言っていた3男坊がヤケに静かに→3男坊。口いっぱいにミニぽわぽわを入れてよだれを出してニコニコしている→焦る私→1+1=2どころではない。
ミニぽわぽわ=失策

でも、大丈夫!
小魚デラックスセットがありますから。
そこいら中に散らばったミニぽわぽわを拾い、隠し、次のアイテムでトライ。
満面の笑みでドリー「そっくりさん」に釘づけ→そっくりさんをテーブルの上にキレイに横並びに(物を並べるのが好き・得意なのも自閉症児の特徴の1つ)→両手に1匹ずつそっくりさんを持ち、「魚が泳ぐごっこ」を始める→「ニモ」で有名なドリーのセリフの連発→「タマ!こっちを見て!」とアテンションを掴もうとしても、断固たる「NO」→そこへ3男坊の手が小魚に忍び寄る→だんだんムッとしてくる私→1+1=2どころではない。
小魚デラックスセット=失策

成功はすぐそこ感があんなにもあったのに、まんまと予想と希望を裏切るこの結果。
や~~~だ~~~!!!」っと叫びました。

「タマにわかる方法」は一体なんだろう?
ネットで色々検索していると、
「おおおぉぉぉぉ?!」と思える本の宣伝を目にしたのです。

「自閉を超えて 上・下」(学苑社・石井 聖 著 ISBN4-7614-9308-9)

この本には「数という名の特急列車が走る」という章もあり、ここで計算の概念学習についても触れているではありませんか~

夏休みもすぐ。
毎年恒例、夏休み日本一時帰国ももうすぐ。

3か月ある長いアメリカの夏休み。
私のやる事は言うまでもなく
タマと計算マスター

「日本に行ったら有隣堂。」
心に決めていざ一時帰国。
どうなるタマの計算マスター?

つづく