Taproot〜アメリカ発。自閉症児タマ&教育の現場

自閉症児タマの母/特別学級職員のmakiが発信する日々のあれこれ。

January 2015

前回までの記事では2年分の事件をさくっと(?)書いていたワケでして...。笑
そうなんです。
タマの弟も、あっという間に2歳に。
「2歳になったら保育園に。」というのは、我が家のステップ。

私自身、働く両親の元で育ち、2歳で保育園デビュー。
2歳から卒園までには友情、尊敬、嫉妬、裏切り、園児の色恋事情 、笑い、別れ、将来の夢(え?あの頃の夢?迷わず「女子プロレスの選手になる」でしたね。あ、誰も聞いてないって?)を語るなど、喜怒哀楽一式経験できましたね~。
そりゃぁ大人からしたら
●ちゃんちゃらおかしい
●かわいい
●単に意味不明
●半端なく自己中
なルールかもしれないです。
でも、子供の小さな社会にもきちんとルールがあり、心、思考力、協調性、思いやり、想像力が育つきっかけになるのだと思います。
そんな経験を自分の子供達もできたらいいなと思い、お兄ちゃんとタマ同様、三男坊も2歳で保育園に。

三男坊が保育園に通いだすと不思議現象続出。
●「 なんなんだ⁉この静けさは?」と不気味な静寂感漂う家。
●数年ぶりの「大人オンリー」のランチで「あら?忘れ物しちゃった?」と錯覚しそうになる 羽毛級 の身軽さ。
●「今日こそは昼寝 してやる。」と決断しても、なぜかあっという間に訪れる「お迎えの時間」。
●空き時間には子供達の学校でボランティア活動。そこで見たPTAママ軍団の恐るべき争い。『女が3人以上集まると危険 by 男性陣』が立証された瞬間の重い納得感。

そんなある日、「おおおおお~!これだ!」と思える仕事採用情報を耳にしたのです。
仕事内容&条件にひと目ぼれ。
それが私が住んでいる町の学校区の「特別支援学級 助教員」だったのです。
大学卒業後から結婚するまでしてきた仕事とは全く違う職種。
でも、タマと一緒に学んできた経験を活かして「特別支援学級の教師や一人でも多くの生徒達の手助けができればこんなに嬉しい事はない。」と強い気持ちがありました。

一次テストは書類選考(学歴、職歴、特別支援を要する子供との経験、外国語などの特技、エッセイ)
→クリア。
そして筆記試験前日。
やる気満々で「行ってくる‼」と思っていた矢先に三男坊が まさかの発熱。

「テスト受けてる間、家で仕事しとくから。行ってきな。」と、ダンナが言ってくれたので、次の日テストを受けに行けたのですが...。
つづく


敢えて「親側敗訴」の裁判記録を調べたのは、

①敗訴原因を知る事で、リスクを回避するため。
②敗訴原因がわかれば、学校区勝訴になった法律も同時にわかる。
③勝因の法律を理論立ててタマのケースに当てはめて説明すれば、逆にこちらの有利になる。

という理由から。

調べたのは3つの裁判記録。
親の訴えはどれも共通して「障害のある子供にベストの教育が与えられていない。」「セラピストの質が悪い。」「学校区事務局で上に立つ者の生徒一個人に対しての無関心さ。」という事。
「それそれ‼」と読みながら同感。

でも、親が子供を思うが為のこの訴えの何がいけないのか?
どの裁判記録にも出ていた学校区勝訴の法律。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
「生徒が並の進歩をしていれば、学校区はベストの教育やサービスを与える必要はない。」
絶対に使ってはいけない『言葉』=「ベスト」
ダメ例)「うちのタマにとってベストのABAサービスをしてくれている今の企業との契約更新はナシとか言わないで下さい。」

「うわぁ~!驚き。 この法律があるから親の訴えはどれも負けちゃうワケだ。」
そう思った私は、更に深くこの法律の続きを調べる事にしました。
すると。

ふふふ 
あるじゃ~ないですか。
ABAサービス提供会社を選ぶ権利がない親側、
子供にベストの教育をと言うのもダメな親側にも有利になる法律の続きが。
「...学校はベストの教育やサービスを与える必要はない。しかし、学校区が与える教育やサービスによる生徒の進歩が最小限レベルであってはいけない。」

「行ける。」
この法律を読んで思いました。
①上記の法律
②2社間でのタマの進歩のデータ比較
③「障害のある生徒が無料かつ適した公共教育を受ける権利を有する」(=FAPE=Free Appropriate Public Education)という法律を合わせれば、こちら有利に持って行くことは可能。

今現在のABAサービス提供会社が変更になるのは本当にイヤだし困るので、弁護士にも私の「訴え方」が合法かどうかも確認しました。アメリカには特別支援学級法・障害のある生徒の権利専門の弁護士さんがたくさんいます。
その中で、私が連絡を入れた弁護士さんは2人の自閉症の息子さんを育てていらっしゃる方で、私の住む学校区の裁判ケースで親側の弁護をしている方です。この弁護士さん、「ABA会社を変えないで欲しい」という本来なら勝ち目はない私の「訴え方」を無料で熱心に聞いてくれたのです。そして、「その比較データと言い方なら大丈夫ですよ。」とゴーサインを出してくれたのです。
「お忙しい中、無料でアドバイスを下さり、ありがとうございました。」
と心の底からお礼を言うと、
「僕もあなたと同様、自閉症児を育てているから、お金セーブの目的のみの学校区の考えのために、あなたや息子さんが直面する問題は、僕個人の問題でもあるから。よくがんばって色々調べましたね。」
とおっしゃってくれました。本当に嬉しかったです。

弁護士さんからもゴーが出たわけで、早速パソコンでパチパチ文章を打ち、再度学校区事務局の「上の人」宛に書留郵便。

数日後。
学校区のABAプログラムマネージャーからメールが。
そこには
"Looks like you've done your homework very well! :-)"
(「よく課題をこなしたようですね! :-)」 ←首を左に傾けて見て下さい。これは、アメリカで頻繁に使われる『にこにこ顔』の顔文字です。笑)

学校区はタマのABAサービス提供会社との契約更新を決めてくれました。
それ以来、学校区からの不穏電話は掛かってこなくなりました。

アメリカ生活がどんなに長くても、私は誇りを持って日本人。
学校区相手に裁判を起こす事は避けたい・やりたくない事。
この事件から学べた事。
親、学校区、法律。
どれも完璧ではない。
でも、完璧じゃないそれぞれの考えを1つのステップとし、
それぞれの考えから学ぼうという姿勢を忘れなければ、
1つの勝る結論は必ずあるという事。



「この討論、もらった‼」
そう確信し、学校区の「上の人」宛に書留郵便で手紙+書類を送付しました。

よ~く読み返したIEP。
ABAサービスの箇所に「○○○○」と会社名が明記されているではありませんか~
↑ ↑ ↑
これが『決定的ミス』だったのです。

本来、IEPにABAサービスを提供する特定会社名の記載は絶対にありません。
単に「週○○時間のABAサービス」と記されるだけです。
理由は、
①もし生徒が転校した場合、同じABA会社が転校先の学校区では契約雇用されていないかもしれない。
②別の州に転校した時には「転校前の学校区が飛行機代出してIEPに記載されたABA会社を送るんですか?」っと言うことです。

IEPは特別支援を必要をする生徒、個人個人の1年の目標・サービスが記されている法的書類。
さすが裁判大国アメリカ。
IEPに記載されている内容を遂行しなければ裁判沙汰は当たり前。
我が子のIEPに弁護士を引き連れて登場する親御さんもたくさんいます。
IEPに記載するサービス内容は毎年更新。←(毎年、IEPの時期がやって来ると、体重が減る程神経を使います。泣笑 )

IEPにABA提供は「○○○○」と明記されてある以上、学校区はその通りにしなくてはいけないのです。
この決定的ミス。タマと私にとっては 女神的ミス でした。
学校側はこのミスを認め、「マニュアル通り」の理由によるABA会社変更はボツになったのでありました。
そんなワケで、この1年のIEP期間中は今まで通りのABA会社がサービス続行となり、
めでたし。めでたし。

んが‼

「女神的ミスIEP」期間終了間近に再び一本の不穏な電話が。
はい。笑
お察しの通り、学校区事務局のABAプログラムマネージャーからです。

「また(「更新しない」という電話)ですか?」
と率直に聞くと、
「今のところ、まだハッキリとは言えないけれど、多分その方向に...。」と。
「今のABA会社を選んでくれたのはあなたなのにどうして切ろうとするんですか?タマも私もたくさん学ぶことができて感謝してるんですよ~。」
「個人的には今のABA会社は僕もとても気に入っているのですが、僕の力だけではどうにもならないんです。親御さんからの声を上に届けて下さい!」

「がってん承知しました‼」
こうなったら徹底的にカリフォルニア州特別支援教育法を調べて学校区と討論しよう。
と決めました。

タマのIEP更新までの時間は1か月。
短期間で法律を勉強するにはどうしたらいい?

私が調べたのは、「(私の住む)学校区 vs 親」の裁判記録。
「親側敗訴」のケース。

その理由は...?
続きは次のブログで。

2週間の冬休みが明け、今日(1/5)からタマもお兄ちゃんも、弟も私も揃って元気に学校・仕事復帰しました。
昨年10月より始めたこのブログ、今現在総訪問者数1,402人になりました。
お忙しい中、ブログに目を通して下さり、励み&パワーの源になっております。
ありがとうございます‼
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

去年の記事「もう大丈夫。」で募集した「Autism Awarenessマグネット」。
年始プレゼント致します。

自閉症への認識度を高める事に協力して下さる方、私と同じように自閉症児を育てていらっしゃる方、
taproot81614@gmail.com
宛にどんどんメールを送って下さいね‼
個人情報は絶対厳守。何があっても公開しないのでどうぞご安心を。

この後は引き続き、前回の記事の続き「ついに事件勃発。~中編〜」をどうぞ。

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