Taproot〜アメリカ発。自閉症児タマ&教育の現場

自閉症児タマの母/特別学級職員のmakiが発信する日々のあれこれ。

September 2014

9/18にブログを初投稿してから、私のブログ訪問者数が300を超えました!皆様、お忙しい中アクセスして下さり、本当にありがとうございます!まだまだ淵底をさまよっている頃の話ですが、これからも応援よろしくお願いします。maki

この「事情聴取」。The Rosetti Infant-Toddler Language Scale(ロゼッティ乳幼児言語発達の目安)、 DAYC-The Developmental Assessment of Young Children(子供の発達査定)、GARS-Gilliam Autism Rating Scale(ジリアム自閉症度目安)、DP II-The Developmental Profile II(発達プロフィールII)と、色々な指標に基づいた結果に、アナが保育園で客観的に見たタマの行動+私からのインプットで統合的にデータを出すというタダものでは「事情聴取」だったのです。タマの発達状態がいかにあるか。シビアな現実を目の当たりにして凹んでいた私。 コンサルタントのイブが提示した2ページに及ぶ「タマの療育ターゲット(目標)行動とプラン33項目」を見て、「うわっ。ABAセラピーで本当にこんなことができるようになるの?」と半信半疑。「でも、できるようになったらスゴイ。」と同時に思いました。自宅でのセラピーも、Apple Tree保育園に通っていた時同様、月~金、朝9:00~11:30。週10時間のセラピー+月3時間のコンサルタントの自宅訪問。コンサルタントは親とセラピストに助言などをしてくれます。

自宅セラピー初日。イブとリビングで話している間にも、タマの部屋ではセラピーが始まっていました。「私は何をすればいいんですか?」「家事をしててもOK。セラピーに参加してもOK。中にはお昼寝をして休息を取るお母さんもいますよ。makiも、いつも通りにしていればいいんですよ。」とイブ。ABAセラピーがどんなものなのか興味津々だった私は「セラピーに参加します。」と、きっぱり言いました。約2歳8カ月だったタマ。まだ一度も私の事を"Mommy"(「お母さん」)と呼んだ事はなかったのですが、いつも傍にいた私には一番いい反応を見せてくれていました。「今日は、部屋の外でそっとセラピーの様子を見ていて下さい。」イブが言いました。最初のターゲット行動は、「顔見知りではない人もしっかり認知・見る。」だったからです。この様に、1つ1つターゲット行動を覚えさせていくトレーニングを DTT(Discrete Trial Training)と言います。

部屋を覗くと...。例のでっかいスーツケースを開け、おもちゃで遊ぶフリをしているアナ。そんなアナの存在すら気付いてもいないのか、全く興味を示していないタマ。アナも無理矢理にタマの注意を引き付けようとはしていません。「なんだこりゃ?」私は思いました。でも、しばらく見ているうちに、アナの行動の意味がわかりました。アナは、どのおもちゃが「お気に」なのか、タマの反応を見ていたのです。数分後。タマの「お気に」が判明。それは、 ボール でした。タマは、一目散にボールに向かって来ます。でも、アナはそれを自然に交わし、タマに背を向けます。これを何度か繰り返していると、タマが、ボールを持ったアナの目をやっと「何これ?(何この人)」と見たのです。その瞬間です! "Nice looking, Tama!!" (「タマ、上手に注目できたね!」)と、タマを大絶賛 誉めちぎって、タマの手に即、ボールが渡されます。このやり取りを繰り返しているうちに、「これ(アナ)を見れば、ボールがもらえる」と、タマの頭の中でもわかってくるのです。

ターゲット(目標)行動を取る→タマが喜ぶ物を与えて誉めちぎる→ターゲットの行動が身に付く。

では、ターゲットの行動ができなかった場合はどうするのか?

ターゲット行動を取らない→無視・無反応=(タマが欲しい物はもらえない)→"Try again!"(「もう一度トライ!」)のような、決して怒らない、前向きな言葉がけでもう一度やり直す。

こうして、ターゲット行動をマスターするまで何度も何度も繰り返して行く。
これがABAセラピーの基本なのです。
Applied Behavior Analysis。応用行動分析学。
難しそうな響きの名称ですが、実は基本はとってもシンプル。

しかし!基本はシンプルとは言っても、初めの頃は、親の私の行動も、アナとイブにたくさん直されましたよ。笑
例えば、セラピーセッションの最中。キッチンにいた私の所に雄叫びを上げて部屋から脱走して来たタマ。「どうしたの?」と、私はタマを抱き上げました。「maki!気持ちはわかるけど、この場合は、タマが来ても無視して下さい。」と。「何でですか?」私が聞くと、「今、タマにとっては全く興味のないトレーシング(なぞり書き)をやっているんです。タマはやりたくない事から逃げるのに部屋を脱走したんです。そこで、makiがタマを抱き上げてしまうと、タマの中では『お母さんの所に行けば、やりたくない事はやらなくてもいいんだ。』と誤解と混乱を招く事になり兼ねません。だから、無視して下さい。」と。なるほど。言葉が無く、雄叫びが唯一のコミュニケーションだったタマ。雄叫びにも「やりたくない事からの逃げ(脱走)」「誰かのアテンションが欲しい」「やりたくない事からの回避(脱走はしなくても、意図的にセラピストを無視する)」「嬉しい・悲しいの感情」など、数種類の意味があったのです。「すいません。」私に抱っこされて部屋にぽこっと戻されたタマ。数分後には再び脱走。「 ぎゃぁぁぁ~!!」絶叫タマのキッチン再来。「タマ、ごめんね。」と、心の中で何度も言いながら、鉄仮面的無反応でタマの顔も見ずに知らんぷりの私。心も鼓膜も張り裂けそうです。絶叫すること2,3分。タマの絶叫が止まるや否や、私の対応をキッチンの外で見ていたアナが、「お気に」のボールをちらっとタマに見せ、"Nice calming down, Tama!" (「タマ、上手に落ち着けたね!」)と登場。タマはボールに引き寄せられ、静かにトコトコ部屋に戻って行ったのです。部屋に入った瞬間、"Good job, Tama!!" (「タマ、よくできたね!」)と誉めちぎり。タマは、ボールで少しだけ遊べただけでなく、セラピストに「高い!高~い!」もやってもらい、「きゃ~!! 」と喜びの雄叫びを上げていました。「タマ。まだまだ先は見えないけど、二人三脚で学んで行こうね。」キッチンで、独りうるうる来ている私。な~んて事もたくさんあったのです。まるで演歌歌詞の様な世界でした。耐えてみせますこの試練...。笑

4月 タマ2歳の誕生日
5月 お兄ちゃんと同じ保育園入園
6月 自閉症診断が出る ➡不本意ながら「自閉症児と学ぶ」電車に乗る
7月 Apple Tree入園
10月 エルビス事件  淵底生活
11月ABAセラピストが派遣される  
12月 Apple Tree退園 

ブログの始まりは10月の「エルビス事件」からでしたが、実際はこんな風に時間が流れていたのです。ここでお伝えしたいのは、まだまだ私は淵底にいたと言う事。これまでの話で、気づいた方はいないと思いますが、「やっぱりタマは自閉症なんだ」と、心の中では悟っていても、「タマは自閉症です。」と、まだ誰かに「言いたくない/言えない」私がいるのです。淵底の底なし沼から親友に引っぱり上げてもらいましたが、その時も、親友や家族にでさえ「ドクターとか専門家はタマは自閉症って言うけどさ。どうしていいのかわからくて、恐いよ。」と言っていた私でした。まるで 魔法のような劇的な改善も見られるというABAセラピー。Apple Tree保育園での最後の1ヶ月の11月。やっと派遣されたABAセラピスト。「セラピーで、タマは自閉症じゃなくなった!」な〜んて各停電車から降車できたらいいなと密かに期待している私がいました。

Apple Treeで初めて会ったABAセラピストのアナ。タマの事を観察しながら、クリップボード片手に何やら記入しています。 「それって、何を書いているのですか?」私が聞くと、「今のタマの様子を見て、どんなセラピーが必要なのかのデータを取っているんですよ。」と。自宅にもアナの上司のコンサルタント、イブと、その上のコーディネーター、メリッサが来て、タマの事について色々と「事情聴取 」。こちらも、書類に丸を付けていたり、熱心に何かをメモっていました。「makiの1番の希望は何ですか?」イブが私に質問しました。 「タマと話がしたいです。タマの気持ちを知りたいです。」
これが、言葉の無かったタマへの私の1番の希望でした。とても嬉しかったのを覚えています。「私の希望を聞いてくれるなんて!」と。
セラピーは、Apple Tree保育園で月〜金、9:00am~11:30pm。私も、時間が空いている時にはアナがいる時間に保育園に行って、タマがどんな様子なのかスパイしていました。笑 アナは「私達、自宅でのセラピーも提供しているからそれも考えて!!その方がタマが得られるものは大きいと思います。」とよく言っていました。⬅これって、今だからわかる?アナもわかっていた?Apple Tree保育園はクセものだって?笑笑笑 なので、私がタマを退園させる時にも「maki!!自宅でセラピー!」とニコニコ顔 で 退園を祝ってくれている様子でした。は〜い。もちろんです!デンジャラスなApple Treeに"GOOD BYE" 帰宅直後。カウンセラーに連絡しましたよ。「(省略)っというワケで、もうApple Treeは退園です。ABAセラピーは自宅でもやって頂けるって、どうして始めから教えてくれなかったんですか?」カウンセラーは「ごめんなさいね。実は、私のダンナは日本人で、ダンナの話だと、日本人家庭は外部人を自宅に入れるという事に抵抗がある人が多いって聞いてたから、makiもそうかなと思って。」と。このカウンセラー、アメリカでは一般的な「婚姻しても旧姓を名乗る」方だったので、名前だけでは、 まさか 日本人のご主人だったとは全くわからなかったのです。「私は日本人ですけど、私の家はいつでもOPENですよ。お兄ちゃんの保育園の友達。夕方までフルタイムで働くお母さんが殆どで、いつも家にいる私の家が保育園後の遊び場なんですよ。私、子供は大好き なので、ましてやタマの為にABAセラピストがうちに来てくれるなんてwelcome以外他にないです!」と。ほんの少しだけカウンセラーと心が通じたかなっと思った瞬間でした。なので、Apple Tree退園から自宅で私がタマを見ながらセラピーをするという事に関しては、何の問題もなくすんなりとOKが出たのです。12月10日退園。「色々とありすぎたので、少しだけ頭を整理する時間を下さい。」という私の希望にもOKして下さり、12月19日から、自宅でのセラピーが始まりました。自宅セラピー開始当日は、セラピストのアナ、コンサルタントのイブ。2人揃っての登場。「え?これから海外旅行にでも行くんですか?」と思わせるくらいの でっかい スーツケース持参で登場のアナ。中身はおもちゃで一杯!「これどうするんですか?」と私が聞くと、「この中に、タマの『お気に』のおもちゃがあるといいなって思って!」とアナ。アナはタマの部屋に行き、イブは私とリビングルームにステイ。アナが保育園で記入していたデータ&イブとメリッサが自宅で「事情聴取」していた結果のまとめを開示してくれました。それによると...
➡タマの言葉の理解&表現力=生後9ヶ月並
➡ タマの言語の実践的使用法(脅威の雄叫びがタマの唯一のコミュニケーション法)=生後3ヶ月並
➡タマの周りで起こっている事に関しての認知度(楽しい事で笑う。危険を察知する等)=生後16ヶ月並
➡タマの社会生活適応認知レベル(周囲の人との適応レベル。周囲の人をどのくらい見ているか) =生後3ヶ月並
➡タマの日常生活適応レベル(歯を磨く、自分で服を着る、ドアを開けるコインをスロットに入れる等) =生後21ヶ月並
この時タマは生後約32ヶ月(2歳8ヶ月)
またまたシビアな現実を淵底から目の当たりにした私でした。「OMG...(Oh My God/Goodness=あ〜神様.../あ〜あ...)」と凹みまくる私でした。

カウンセラーの説明で把握した事はこちら。
➡ABAとはApplied Behavior Anaysis(応用行動分析)の略。
➡UCLA(カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校)のロバース博士が自閉症の症状改善のために開発したセラピー法(療育法)。
➡ABAを用いた早期セラピーで、「劇的」な効果も期待する事ができる。
➡ 「劇的」とは自閉症児からいわゆる健常児になれる的なレベル。
➡自腹で個人専属セラピストを雇ってABAセラピーをやろうものなら、月に50万円以上かかる。
➡ABAセラピストは民間企業から派遣される。

maki:「で?療育って具体的にどんな事をするんですか?」
カウンセラー:「それは、Apple Tree保育園に行けばわかります。ABAセラピー提供企業に、タマ専属のセラピスト派遣要請手配をするので、入園の手続きを早急に。」

タマはついにセレブな保育園、Apple Treeに入園。しかし 5ヶ月後には電撃退園。恐ろしやApple Tree。そこは非常にデンジャラスな保育園だったのです。驚愕の「はぁ?」の連続。例えば...
1)てきと〜な園長&スタッフ
自宅から毎日持参のランチ。「完食」と日誌に記されている日でも、自宅に戻ってまぁびっくり!朝に詰めたままの手つかず状態ということ数回。問い合わせると「ランチの時は見てなかったからわからない。」「今日が誕生日だった子の親御さんが、お祝いにみんなでってランチの差し入れを持って来てくれたので。」「間違えて「完食」に丸付けちゃいました。でも、ちゃんとスナックを食べてるから大丈夫です。」とか。
2) 偽言!「トイレトレーニングします。」
これまで好調にトレーニングが進んでいたタマ。Apple Treeに入園してから大小垂れ流し頻度激増。タマのバッグから毎日のように「もわ〜ん」とゆらめき出る高濃度の黄土色な臭い。《豆知識》汚れた下着はスーパーの袋にぽいっと入れるだけというのが、アメリカではどこの保育園でも普通 日本の保育園とは大違いです。スタッフに「トレーニングはどうなっているんですか?」と聞くと、「トイレが教室外にあるからなかなかタイミングが合わなくて。しばらくはパンツ式おむつにしてもらえますか?」とか。
3)放置保育
photo-2
お迎えに行くと...
⬅「試合後のボクサーか?!」と思わせるタマが。「何があったんですか〜?!」 と驚いて聞くと、「たまたま誰も見てなかったので詳しい事はわからないんですけど、噛む子にやられたんです。」と園長。この対応で、これまでの数々の状況に不信感を募らせていた私の堪忍袋の緒が「ぶちっ」と切れました。ココからは当時の感情を100%再現するために生の英語でお送り致します。
maki: "Are you kidding me right now? I'm not putting up with any of the bullshit that this preschool has given to Tama! I'm SO DONE with this place! I'm NOT sending Tama here anymore because I can take much better care of my son!" (あなた今ふざけてる?この保育園がタマにしてきたしょうもなくクソでもない事、もう我慢できません!こんな所もういいです!自分の息子は自分で見る方がよっぽどマシだから、もうこんな所には通園させません!)
Director: "Well, sorry. We are doing our best though..."(えっと、すいません。ベストを尽くしているんですけど...。)
maki: "Obviously, YOUR best doesn't meet with OUR needs, and this place is nothing but dangerous to any children with special needs!"(あなたのベストがタマと私のニーズには合ってないってのは明らかですよね。こんな所、障害のある子供達にとっては危険な所以外何モノでもないです!)
Director: "Ah, excuse me... You are gonna have to contact the counselor, I think..." (あ、すいません...えっと、カウンセラーに連絡しないといけないと思うんですけど...。)
maki: "GOOD BYE!" (さようなら!)
この日の夜、お兄ちゃんの保育園ではクリスマスコンサート。タマも、痛々しい顔で日本のnana(=アメリカで一般的に使われている「おばあちゃん」という英語。) にもらったお出かけ用の服を着て、お兄ちゃんのパフォーマンスを見に行きました。上の写真はコンサートでの写真です。
え?どうしてもっと早くApple Treeから退園させなかったかって?もちろん、退園に至るまでには何度もカウンセラーに電話でApple Treeの「気になる点」を話していましたよ。「ABAセラピストが来るからもうちょっとだけ待って下さい。今、必要書類を提出している所ですから。保育園には私からも指導しておきます。」というカウンセラーの言葉をそのまま信じて、「ABAセラピーでそんなにすごい改善が期待できるなら、もしかしたらタマだって!」と思っていた私がいたからでした。ダメでしたね。結局、ABAセラピストが保育園に来てくれたのは、入園から4ヶ月後。退園1ヶ月前でした。もう1つの理由は、Apple Tree専属のスピーチセラピストのジミー先生。タマは毎金曜30分、1対1でのスピーチセラピーを受けていました。「タマはもしかしたら耳の聞こえがあまり良くないかもしれないよ。"BALL"という音も最初の"Bah"の音しか聞こえていない様子ですね。1度検査をしてみませんか?」という先生の言葉で耳鼻科に行った結果、「耳に少し水が溜まっている」という事がわかり、耳にチューブを入れて水を出す手術をしました。ジミー先生は「もっとスピーチセラピーを増やした方がいいと思いますよ。」と最後に言ってくれました。
とにかく!Apple TreeとはGOOD BYE! ココからまたまた色々な事が始まります!笑
 P.S. Apple Tree保育園は、タマ退園の数年後、閉園になりました。

皆さんは「吹き戻し」というおもちゃをご存知ですか?

吹くとぴーっと笛が鳴って紙がしゅるしゅるっと伸びて、口を離すとピロっと紙が丸まるアレです。淵底にいた私はまさに「吹き戻し」状態。当時は専業主婦だった私。買い出し&子供のお迎え等、どうしても外出しなくてはいけない時には、ぴーっと自分をなんとかピンとする。「私は大丈夫」ってフリをするので精一杯。家にいると気持ちは丸こまっていました。自閉症の事。タマの事。私に何ができるのかわからなくて恐かった。

「自閉症だろうがなんだろうが、タマはタマなんだからいいじゃない。自閉症だからってどうするの?タマを放棄するの?」
そんなことするワケないでしょ。

「専門家として、タマの様な自閉症児をたくさん見てきています。不本意でも、私の言っている事に聞く耳を持ちなさい。」
聞いてます。自閉症=一生共にする障害。くらいしかまだわかっていないですけど。

「自分の子供が自閉症って診断されて安堵する親もいますよ。」
私はしてません。
「makiだったら大丈夫だって、神様が思ったから、タマはmakiの所に来たんだよ。」
キレイ事にしか聞こえません。

淵底には底なし沼もあったらしい...。私は沼にはまり込むのみ。みんな、「がんばれ~!」って言ってくれていたのですが、あの時は、苦しい心境を1人でもいい、誰かに少しでもわかって欲しかっただけでした。ザ☆ 自己中!悲劇の取扱い注意人物でした。そんな私を沼から引っぱり上げてくれたのは、アメリカで看護師をしている親友でした。「気持ちわかるよ~!子供の事で重い事を親に伝えなきゃいけない時って病院で何度も見て来て思うんだよね。言う方も辛いかもしれないけど、言われた方の親のサポートってのがちゃんとできてないな〜って。私も反省してるから。出来る事あったら遠慮なしね!毎日でも連絡して!」
やっとわかってくれる人がいた。

この言葉を聞きながら、ナイアガラの滝級の涙が勝手に溢れ出していました。
maki:「ちょっと待ってて〜!箱ごとティッシュ持って来るから〜!」
親友:「も〜!今、せっかくいい所だったのに〜!早く持っておいで〜!」
親友と2人で泣き笑いしました。淵底に差した光でした。
「大丈夫かもしれない。」初めてそう思いました。

一方タマは…。2歳になり、お兄ちゃんと同じ地元保育園に通っていました。「くるくる回り」「脅威の雄叫び」「人に興味を示さない」(家族や親友の子供とか、タマが赤ちゃんの時から知っている人には興味を示す)等、いわゆる自閉症「あるある行動」を連発していました。「言葉が話せません。出来ない事もたくさんあります。どうしても対処できない時には、連絡下さい。すぐに迎えに来ます。」と、先生方に毎日のように言っていました。先生方は「大丈夫ですよ。出来ない事ばかりに注目するんじゃなくて、タマが出来る事を一緒に見つけて行きましょうよ。」と、大らかに対応してくれました。お兄ちゃんも、タマとランチを食べたり、タマに寄り添ってお昼寝をしてくれていました。(⬅先生方に頼まれてですけど。ふふふ。小声で読んでやって下さい。)しかし カリフォルニア州契約下の発達障害者支援法人のカウンセラーから、切羽詰まっている感ありありの電話が頻繁に来るのです。「私が薦めるApple Tree保育園に転校させなさい。早くしないと、子供の脳が固くなってからでは遅いのですよ!自閉症に対する親の理解度が乏しいがために、タマみたいに今すぐ療育が必要な子供に、1日1日ムダな時間が過ぎ去っていると思うと、私は夜も眠れなくなるんですよ!」と。当時の日記に書いてあります。「カウンセラーにはあまりいい印象が持てない。」と。例えるなら、つい最近、不本意ながらも「自閉症児と学ぶ」という各停電車に、小さいけれどずっしり重たい荷物を背負ってやっと乗った私。だけど乗ってみたら、いきなり黒い袋を頭からすっぽり被されて、「えっ?あらっ?何コレ?」っと怪しい車のトランクに押し込まれるみたいな妙な圧迫/威圧感を感じていたのです。カウンセラーとの激しい温度差でした。
さて、このApple Tree保育園。カウンセラーによると、スピーチセラピー、タマ専属のABAセラピスト、保育料も州の公費で全て込み込み。つまり、タダ!デラックス条件てんこ盛りの超セレブな保育園。2歳時には意味のある言葉が全く無かったタマにとっては「最高の環境です。」by カウンセラー。転校させるしかない(?)と思いました。でも、「ABAって何?」。カウンセラーへの私からの質問でした。


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