ついに事件勃発。 ~中編~maki、働くMomになる。①

January 14, 2015

ついに事件勃発。 ~後編~


敢えて「親側敗訴」の裁判記録を調べたのは、

①敗訴原因を知る事で、リスクを回避するため。
②敗訴原因がわかれば、学校区勝訴になった法律も同時にわかる。
③勝因の法律を理論立ててタマのケースに当てはめて説明すれば、逆にこちらの有利になる。

という理由から。

調べたのは3つの裁判記録。
親の訴えはどれも共通して「障害のある子供にベストの教育が与えられていない。」「セラピストの質が悪い。」「学校区事務局で上に立つ者の生徒一個人に対しての無関心さ。」という事。
「それそれ‼」と読みながら同感。

でも、親が子供を思うが為のこの訴えの何がいけないのか?
どの裁判記録にも出ていた学校区勝訴の法律。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
「生徒が並の進歩をしていれば、学校区はベストの教育やサービスを与える必要はない。」
絶対に使ってはいけない『言葉』=「ベスト」
ダメ例)「うちのタマにとってベストのABAサービスをしてくれている今の企業との契約更新はナシとか言わないで下さい。」

「うわぁ~!驚き。 この法律があるから親の訴えはどれも負けちゃうワケだ。」
そう思った私は、更に深くこの法律の続きを調べる事にしました。
すると。

ふふふ 
あるじゃ~ないですか。
ABAサービス提供会社を選ぶ権利がない親側、
子供にベストの教育をと言うのもダメな親側にも有利になる法律の続きが。
「...学校はベストの教育やサービスを与える必要はない。しかし、学校区が与える教育やサービスによる生徒の進歩が最小限レベルであってはいけない。」

「行ける。」
この法律を読んで思いました。
①上記の法律
②2社間でのタマの進歩のデータ比較
③「障害のある生徒が無料かつ適した公共教育を受ける権利を有する」(=FAPE=Free Appropriate Public Education)という法律を合わせれば、こちら有利に持って行くことは可能。

今現在のABAサービス提供会社が変更になるのは本当にイヤだし困るので、弁護士にも私の「訴え方」が合法かどうかも確認しました。アメリカには特別支援学級法・障害のある生徒の権利専門の弁護士さんがたくさんいます。
その中で、私が連絡を入れた弁護士さんは2人の自閉症の息子さんを育てていらっしゃる方で、私の住む学校区の裁判ケースで親側の弁護をしている方です。この弁護士さん、「ABA会社を変えないで欲しい」という本来なら勝ち目はない私の「訴え方」を無料で熱心に聞いてくれたのです。そして、「その比較データと言い方なら大丈夫ですよ。」とゴーサインを出してくれたのです。
「お忙しい中、無料でアドバイスを下さり、ありがとうございました。」
と心の底からお礼を言うと、
「僕もあなたと同様、自閉症児を育てているから、お金セーブの目的のみの学校区の考えのために、あなたや息子さんが直面する問題は、僕個人の問題でもあるから。よくがんばって色々調べましたね。」
とおっしゃってくれました。本当に嬉しかったです。

弁護士さんからもゴーが出たわけで、早速パソコンでパチパチ文章を打ち、再度学校区事務局の「上の人」宛に書留郵便。

数日後。
学校区のABAプログラムマネージャーからメールが。
そこには
"Looks like you've done your homework very well! :-)"
(「よく課題をこなしたようですね! :-)」 ←首を左に傾けて見て下さい。これは、アメリカで頻繁に使われる『にこにこ顔』の顔文字です。笑)

学校区はタマのABAサービス提供会社との契約更新を決めてくれました。
それ以来、学校区からの不穏電話は掛かってこなくなりました。

アメリカ生活がどんなに長くても、私は誇りを持って日本人。
学校区相手に裁判を起こす事は避けたい・やりたくない事。
この事件から学べた事。
親、学校区、法律。
どれも完璧ではない。
でも、完璧じゃないそれぞれの考えを1つのステップとし、
それぞれの考えから学ぼうという姿勢を忘れなければ、
1つの勝る結論は必ずあるという事。

hazloquepuedas81614 at 15:01│Comments(0)

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