タマが3歳の時に引っ越し、今でも住んでいる家。
ご近所さんにも恵まれた場所です。
「ハイジ」でお馴染みの大きなセントバーナード犬を飼っているご夫婦にタマの事(もちろん、自閉症児である事も)を紹介すると、「通っている学校はどこ?」と。なんと、このセントバーナード犬のウィンストン君。小児病棟や施設で活躍するセラピー犬だったのです。飼い主のご近所さんはすぐにタマの学校に連絡を入れて下さり、ウィンストン君との特別授業枠の許可が下りました。
これが、ウィンストン君

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「どぉも~。」っと、人間だったら超テノールな声色を出すっぽいお顔のウィンストン君。大きくて優しいオーラを持ったセラピー犬でした。実は、犬が苦手なタマ。ウィンストン君にそ~っと触れてみるという驚きの行動も。このウィンストン君。長年多くの子供達を癒し、みんなに惜しまれながら数年前に他界しました。現在もこのご近所さんは、レミントン君という2代目セントバーナード犬を飼っていますが、レミントン君は新聞紙を見ると噛じりたくなってしまうらしく、散歩中に近所中の新聞をシャガシャガにしてしまうので【アメリカ豆知識~アメリカでの新聞配達は車の窓からぽいっと家の前に投げ捨て配達。日本の様に郵便受けにきゅっとお行儀よく配達されないのです。だから、「投手」のコントロールの調子が悪く、投げ捨ての位置がちょっと公道に近いとレミントン君のシャガシャガのえじきになってしまうのです。笑】、いつも「マイ新聞紙」を丸めた物を口に1つだけくわえてお散歩しているお茶目なワンちゃんです。セラピー犬にはまだなれないそうです。がんばれレミントン君!

前置きが長くなってしまいましたね。笑
こんな風に、地上にTaprootを下してから、淵底で前向きになれなかった時の状態では「見えなかった」周りの人達の思いやり・優しさのありがたさに気づく事ができ、精神的にもぐっと落ち着いている自分がいました。

「子供は何人いてもいい」と思っていた私。そんな時、3人目を授かったのです。

しかし・・・
周りからは「兄弟に自閉症児がいると次の子も自閉症の確率が上がるのに心配じゃないの?」と言われたり、

更には・・・
「簡単な血液検査で、妊娠初期から赤ちゃんの染色体異常有無の確率を調べる事が今ではできますが、どうしましか?」と定期検診で聞かれ、「じゃあ、お願いします。」と深く考えずにテストを受けたら、「ダウン症の確率が1/40、18トリソミー (注1 の確率が1/87」という結果が出たり。
(注1~18番染色体が1本多い染色体異常。多くは死産または重度の心疾患・消化器系・神経系統などの合併症を併発する。出生しても乳幼児期までに亡くなってしまうことがかなり多い難病。精神・身体の発達ともに遅い)
「心配要素を打ち消すために、羊水検査しますか?」とドクター聞かれ、検査を受ける事に。

自閉症は染色体異常で発症する障害ではないので、羊水検査では生まれてくる赤ちゃんが自閉症ではないという確定は不可。しかし、万が一、生まれてくる赤ちゃんがダウン症・18トリソミーというように自閉症とは違った障害がある場合、親の私達が生きている間は、できるベストの事をするけれど、私達がいなくなった後、お兄ちゃんとお兄ちゃんの将来の家族の肩に乗る荷物が重すぎるのではと思いました。そして、自閉症とは別の障害を持つ子供を育てる事が想像できない弱虫で勝手な私もいました。
生まれてくる赤ちゃんが自閉症だったとしても、タマとの経験を通じ「決して無駄に涙と汗を流してはいない。」と言える自分がいたので、もし、赤ちゃんが自閉症でも「私は大丈夫。」と思いました。
「羊水検査の結果で異常が確定されたら、3人目の妊娠は諦めよう。」
ダンナと相談した結果、出した選択肢でした。
そして、「確定もしていないのに、あれこれ余計な心配をするのはやめよう。」と思いました。

周りからは「ダウン症だからとかトリソミーなんとかで妊娠中絶したら、『間引き』しているみたいでかわいそうじゃな
い。」「ダウン症の子達もかわいらしくていいじゃない。」など言われましたが、この意見をくれた人達は、障害を持つ子供を育てた事のない、自閉症に関しても、ダウン症に関しても、知識のない人達。私の選択肢は変わりませんでした。

障害を持つ子供を育てている親の方がすごいとかえらいとかではないのです。
このような意見をくれた人達も、考慮した上での発言なのはわかっています。
しかし、「道徳的に良い」と思う事や、ただ単に「前向き」な言葉だけではどうにもならない事もあるのです。

最近、日本では「障害」を「障がい」と表記する傾向にありますが、これは障「」という漢字の意味に対する過敏な反応であり、障害そのものの認識度を上げるため+実際の障害者へのサポートに対してあまり意味はないような気がします。障害者が社会の「害」になっているわけではなく、その人が社会生活を送っていく上で「障害」になる事が多いという意味だと思うので。

さて!
不思議だったのは、血液検査で1/40とか1/87という確率を見ても動じていない自分がいた事です。

当時の日記より。
「血液検査で結果と確率を聞かされても、あまりガーン! という感じにはならない自分がいる。多分これは、大好きだったお父さんが急死した時と、タマが自閉症と言われ(始めた)時の方がショックがずっとずっと大きかったからだと思う。それに、身近なママ達にも"False Positive"(誤診)が出ることはよくあるという体験談を聞いているからだと思う。私は羊水検査をして心配材料を削除しようと思う。時が来たら元気に生まれておいでね。」

つづく。