PECSで発語数も単語数も増えたタマ。

「タマと話がしたい。」
私の願いが叶ったと言えば叶ったのですが、ABAをきちんと理解していなかったがために、PECSでタマが認識できるようになった単語は「名詞」のみ。
例えば、「Apple(りんご)」という名詞を認識できた時点で「Apple is red.(りんごは赤い)」「Apple is a fruit.(りんごはフルーツ)」など、「動詞」や「形容詞」も付け足して応用し、タマが一番苦手な言葉を広げて行く事を見落としていま
した。

その事をセラピストとコンサルタントに相談すると、
「では、タマが知っている名詞を利用して、その物が持つ機能のレッスンをしましょう。それで、動詞も紹介して行きましょう」と。
そして、タマのIEPにも"Tama will identify common objects by function with 60% accuracy."(一般的な物の機能を60%正確に認識する。)というターゲットが追加されました。

「動詞」を増やすために、物の機能を認識するレッスンはこうでした。

セラピスト:「What's this? / これは何?」
タマ:「Scissors / はさみ」
セラピスト:「What do you do with scissors? / はさみで何をする?」
タマ:「Cutting / 切る」

なんと
この「Cutting」1つをマスターするのに1年かかったのです。
80%ではなく、60%正確にでですよ。
ため息5000発超えの域に入ってましたね。笑
(この件は、後に「一大事件」化するのです。 事件に関しては、別途書きます。

違うABAの傷跡が残っている子もいます。
ある日、お母さん仲間のティファニーから電話が。

ティファニー:「タマは自由な時間にはどんな事してる?」
maki: 「え?どんな事って、タマが好きな事してるよ。」
ティファニー:「それは、makiが指示を出してるからやるの?それとも、タマが自発的に?」
maki:「自発的だよ。今だって、私は何も言ってないけど、自分で自由に絵を描いたり、好きなDVD見たり、庭でブーケ作ったりしているよ。」
ティファニー:「そっか~。うちの息子は私が指示を出さないと、自由な時間があってもどうしていいのかわからなくて、私の後を付いて来て「何したらいい?」って連呼されるから困っちゃうんだよね。」と。

この質問。私にとっては意外でした。

ティファニーの息子はタマ同様、幼少期は無発語だったのですが、5,6歳になった時には「すご~い!」と思うくらい発語が増え、会話のやり取りができるようになり、小学校からは普通学級に行っているんですから。それもそのはず。ティファニーはいつでもどこでも息子にたくさん話しかけていましたから。ここで言う「たくさん」と言うのは本当に「四六時中」&「おしゃべり好きな私でも無理」と言うレベルです。そんなティファニーの息子が「指示がなければどうしていいのかわからない」という理由は、やはりABA・PECSの傷跡でした。
ティファニーは学校で使われていたPECSを使ったスケジュールを自宅用にも作って毎日を過ごしていました。それは、本当にすごい事です。「朝食」「歯を磨く」「髪の毛をとかす」など、一日の細かい行動全部なんですから!

私は...。
「決まった事を決められた時間に」と構造されたスケジュールで学校、自宅セラピー&私と毎日30分~1時間の「プチセラピー」をしていたタマだったので、「せめて、自由な時間くらいはタマの好きな事をやればいい」と 放任主義でした。
お兄ちゃんの事、タマの事、食事の支度、その他もろもろの事をこなして子供達が寝た後、お風呂に入るのもイヤなくらいヘトヘト...。タマに一生懸命話しかけるどころか、「私も少しは一息つきたい。」と思うのが本音でした。(←放任もヘトヘトも一息つきたいも、今でも変わらないですけど。笑)

現在タマは元気な11歳。
幼少期に、ABAの応用を効かせずにPECSでマスターした「名詞」の数々。
傷跡は今でも残っていて、タマが物事を伝える時は"Japan(日本), Airplane(飛行機), July(7月)!" という感じで、動詞が抜ける事がほとんどです。タマの伝えたい事=「7月に飛行機で日本に行く!」ということはこれでも十分伝わりますが、ABA・PECSの傷跡は今現在でも「修正中」。
PECSではなく、リンダムード・ベル (Lindamood Bell)のVisualizing(視覚化) & Verbalizing(発語化)の応用を使ったり、日常生活でその都度口頭で修正しています。絵画が大好きなタマ。リンダムード・ベルの方法を用いると、自然な言葉の流れをマスターするだけでなく、文章の読解度・理解度もわかります。文章を読みそれに対応する絵を描くというのがその方法です。

1)セラピストが「3つの黄色いりんご、2つの赤いりんご、5つの緑のりんごがなっている木があります。」と文章を書きました。この文章には読解度・理解度をみる項目が10個あります。タマは、数字、色、りんごはわかったようですが、肝心な「木」を描かなかったのですね。笑(ピンクのアンダーラインがタマがミスった項目)なので10項目中9項目で90%となっています。 1














2)「女の子が3匹の青い魚と1匹の紫のヒトデと泳いでいます。」
海が大好きなタマ。これ全部の項目をしっかり掴んでいますね。
「泳ぐ」という動詞も理解できているのがわかります。これは100%です。
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3)今度は、ABAの応用を効かせて、セラピストが絵を描き、それに対応する文章
をタマが書きます。
「ゾウは赤い鳥の下を歩いている。」(ヘルプ付で書きました。)
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4)同じく。セラピストの絵に対応する文章をタマが書きました。
「きりんは食べている。」これはヘルプ無しで書いたので、きりんが食べている
「木の葉」が抜けてましたが、これでもタマはがんばりました。
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「タマ。ゆっくりでもいいよ。あなたの描く絵のように、あなたの大好きな花のように、タマの言葉がもっとカラフルになる時は必ずやって来る。」私は信じています。

今日は、庭に咲く花でタマが作ったブーケの写真で〆ます。
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