ABAセラピーの積み重ねで一歩一歩前進するタマ。
学校のスケジュールにもすっかり順応していました。

お兄ちゃんは5歳になり、9月から公立学校のキンダーガーテン(保育園)に入園。
 【豆知識】カリフォルニアでは5歳から高校卒業までが義務教育。 
この頃。お兄ちゃんは、タマがいつも大人のアテンションを独り占めしていると強く感じていたらしく、タマがセラピストや私に褒められているのを目撃すると「ボクだってそんな事できるもん‼」とか「ボクもPECSが欲しい。」と言うようになっていました。

「お兄ちゃんの事もちゃんと気にかけてるよ。ちゃんと見てるよ。」と伝えるために設けたのは"Fun Friday"/「楽しい金曜日」です。

タマをベッドに入れた後、お兄ちゃんが親と好きな映画を見たり、ゲームをしたり、アイスクリームを買いに行ったり、親のアテンションを独り占めできる日です。もちろん「お兄ちゃん用PECS」も作りました。 当時お兄ちゃんがぞっこんだった「なんちゃらレンジャー」の写真を10枚くらい撮っての簡単な物でしたけどね。笑 それでも、お兄ちゃんは大喜びでした。"Fun Friday"はお兄ちゃんの特別な日。「何時まででも起きてていいよ~!」という魅惑のキャッチフレーズに、お兄ちゃんの目には☆が輝いていましたね。でも、5歳児でしたから、せいぜい10時には沈没していましたが。笑
そんな感じでお兄ちゃんとタマとの時間のバランスを取りながらの生活でした。お兄ちゃんも「自分も特別なんだ」という事に気づくと、私やタマに対する不安・不満を言わなくなりました。それどころか、タマに話しかける時には、セラピスト顔負けの「ABA用語」で対応し、親の私も「おおおおお?!」と、びっくりでした。初段階のABAセラピーでは、"Do this" / 「マネして」、"Give me" / 「ちょうだい」、"Write" / 「書いて」のように、余計な言葉を省いた短い言葉・指示語を使います。自宅セラピーをほとんど毎日耳にしていたお兄ちゃん。いつの間にか「ABA用語」を覚えていた様子でした。

そんな中、タマが「クラス集合写真」を学校から持って帰って来ました。
最前列ピンク丸がタマです。

photo

みんなバラバラな方向を向き、カメラスマイルを決めているのは教員のみ(右の男性が当時の校長先生です)。こんなに個性あふれる「クラス集合写真」は、お兄ちゃんのクラスでは見た事がなかったので、じわじわと込み上げてくる笑いを感じると同時に、理屈抜きで「 かわいい!」と思いました。この写真を見て、当時5歳のお兄ちゃんが言いました。"This is great! Tama and his friends rock!"(これすごくいいね!タマとお友達かっこいい!)っと。
私が「そうだね。でも、どうしてそう思うの?」と聞くと、「だって、普通、校長先生とかがいたら、ちゃんとしないと先生に注意されるし、カメラ見てスマイルしなきゃダメだもん。でも、タマ達は、み~んな自由でかっこいいじゃん。」と。お兄ちゃんが続けて言いました。「Mom、タマの事、そんなに気にしなくて大丈夫だよ。ある子はアカデミック(勉強が得意)、ある子はアスレチック(運動が得意)みたいにタマ達はたまたまオーティスティック(=Autistic/自閉症の)ってだけなんだから。」と。お兄ちゃんのこの言葉は私にとっては「記憶に残る名言」でした。 当の本人のお兄ちゃん(現13歳)は、「あはは!俺、そんな事言ったんだ~。すげ~!」とすっかり忘れていますが。笑

血液型や星座などで「あなたはこういう人です」という分類がよくありますよね。確かに、当てはまる部分は多くあるけれど、全く当てはまらない部分もあります。
勉強が得意、スポーツが得意な人達を取ってみても、多くの共通点はあるけれど、みんなそれぞれ違う個人なのです。だから、お兄ちゃんの名言のように自閉症の人達にしても、共通点はあるけれど、みんなそれぞれ違う個人なのです。これまでの私は「タマはタマ」としての個人を見ていると言うより、「自閉症」という障害名・分類枠の重圧感に捕らわれていたと感じました。

この名言から数日後。
タマのクラスで出会い、仲良くなったお母さん達4人で「ランチに行こう!」と決めていた日がやって来ました。家事以外、子供の学校行事以外、「子抜き」で気の合う仲間と外出するのは超久しぶりな事。車を運転していても「あら?私なにか忘れ物してる?」と、「子抜き」の身軽さに少々の戸惑いと新鮮さを感じながら、みんなで選んだカフェレストランに到着。

アメリカ人のティファニー、ペルー人のリリー、イギリス人のジュリー、そして日本人の私の4人がゆっくり話せる初めての時間です。
最初の話題は「子供は何人?」でした。

ティファニー:「うちは2人。長男が自閉症児。長男が自閉症児だってわかった時には、既に2人目を妊娠してたから、娘が生まれて来てからも、もしかして自閉症児だったらどうしようって思ってたけど、娘は健常児だったから、ミラクルチャイルド。」

リリー:「私は1人だけ。息子が自閉症ってわかったから、2人目はもういいと思った。」

ジュリー:「うちは息子が2人とも自閉症児。1人目が自閉症だったから、2人目はそうでなければって思って生んだんだけど、成長の過程ですぐに「この子も」ってわかったから療育を早く始める事ができたの。」

maki: 「うちは2人。お兄ちゃんは健常児。次男のタマが自閉症児。子供は何人いてもいいんだけど、3人目がなかなか授かれないの。」

国籍も環境も全く違う私達。自閉症は国籍や環境に関わらず、どこの家庭にでも起こりうる障害です。

次の話題は「あの時=(子供が自閉症だと悟った瞬間)、どういうリアクションだった?」でした。
4人はそれぞれの「あの時」の話をしました。テーブルには既にコーヒーとランチも運ばれていましたが、食べ物の事も忘れて「あの時」の話に聞き入っていました。そして、みんなが話し終わった時には、白昼のカフェレストランで涙を流したり大笑いしていた「女4人」。絶対に異様だったと思います。笑

みんなの「あの時」話が終わると、ティファニーが聞きました。「で?誰が「あの時」の一番のどん底リアクション クイーンだと思う?」って。

さすがアメリカ‼
ジョーク好きな国です。(余談。もちろん、リリー、ジュリー、私もジョーク大好き‼)
ペルー、イギリス、日本は「アメリカのティファニーに1票‼」
異議なしでティファニーがクイーンに決定。

ティファニーの「あの時」も、とても壮絶でした。
みんなと同様、ティファニーも始めは自閉症の事もわからなかったので、法人カウンセラーに言われるがまま。「自分の子供に障害?」と葛藤していました。
ある日の夕方、息子を三輪車に乗せて散歩をしていた時。突然着火した様に息子が大泣きし、どうなだめても泣き止まなかったそうです。ティファニーも、自閉症診断が出た時点で、法人のカウンセラーにABAセラピーを勧められていたのですが、「自閉症だなんて納得がいかない。」と、全てのオファーを却下していたんです。そんな息子を見て、「やっぱり自閉症なのか」と悟り、そのまま自分も歩道にへたり込んで、息子と共に2時間大泣きしたそうです。心配したご近所の方がティファニーのお母様に連絡→抱え込まれて家の中だったそうです。そして泣きながら法人に電話をして、「ABAセラピー、今からでも再オファーして頂けますか?」と聞いたそうです。「え~?外で2時間も~?」っと言うのが、私達3人の反応でした。私達も、これまでたくさん泣きましたが、家の中での「ひっそり泣き」でしたから。笑

辛かった「あの時」を共感して一緒に泣ける仲間がいる。そして「あの時」を振り返って一緒に笑える仲間がいる。本当に心強く思いました。
ランチを食べ終わり、家に戻る途中、私は本屋に立ち寄りました。
よそ見もせずに一冊のABA教本を手に取ると、レジに向かいました。
レジのお姉さんが私の選んだ本を見て聞きました。
「先生ですか?」と。
「いいえ。母親です。息子が自閉症児です。それで、もっと勉強したくて。」

私は公の場で、全く知らない本屋のレジのお姉さんに「息子が自閉症児です。」と、
初めて堂々と言えたのです。
レジのお姉さんが言いました。
「先生達には10%ディスカウントがあるの。あなたは学校で教えている先生ではないけれど、息子さんにとっての1番の先生。がんばって下さいね。」と。そしてウィンクをして、特別に10%ディスカウントをくれました。心の底から嬉しかったです。
私はレジのお姉さんにお礼を言い本屋を後にしました。

ビオレ 「毛穴すっきりパック 鼻用 ・男の黒シート」でごっつり角栓が引っこ抜けた時の感じ?笑
心機一転。とにかく、とってもとってもスッキリした気持ちで本屋から出たのを覚えています。

タマが自閉症と診断されてから約1年半。
もう大丈夫。
お兄ちゃんの言葉+タマの学校で出会えたお母さん達との貴重なランチの時間で、私の中では大きな変化があったのです。

私は淵底からぐぉぉぉっ と脱出し、再び地上に足をつける事ができたのです。

"Taproot"=植物の主根。
「よし! もう 泣かない。うじうじしない。今から。ここから。ずっしり根っこを降ろしてタマとの世界を広げて、学んで行こう。自閉症だっていいじゃない。私の願い『元気な子供が生まれて来ますように』は叶って、タマは元気な子なんだから。自閉症だっていいじゃない。タマはタマなんだから。」

100%前向きな気持ちでそう思ったのです。

今回は、淵底脱出を記念して、読者の皆様の中から抽選で24名の方にプレゼントがあります!
それは、"Autism Awareness"(自閉症認識度)を広めるために、アメリカではよく目にする物です。
タマのクラスで出会ったお母さん達、自閉症児学級の担任の先生方、セラピスト、自閉症児を持つ家族が車の後部にくっつけているマグネットです。私も車に付けています。冷蔵庫にも。

                                       注)今回、プレゼントでお送りするマグネットのデザインと大きさは上の物とは異なります。
タマが街の「子供マラソン大会」に出る時にシャツに糸で縫い付けて使う時もあります。

                           こんな風に。☛ magnet

                                                              今回プレゼントさせて頂くマグネットはコレです。
自転車のかごにもくくり付ける事ができます。「な~んだ。こんなマグネットごときで何が変わるんだ?」と思う方もいらっしゃるとは思います。ですが、普通に街を運転していて、このマグネットをつけた車を見かけるととってもほっこりとした気持ちになれるのです。
「一緒に前進して行きましょうね!」
私はいつも心の中でそうメッセージを送っています。
自閉症児とは何ら縁のない方が、信号待ちで私の車の後ろに止まった時にこのマグネットを見て「自閉症って?」っと思ってくれるだけでもいいのです。それで「そのような障害もある」って知ってくれるだけでもいいんです。

1人じゃないんです。周りにもたくさんいるんですよ。自閉症児と向き合って生活をしている家族や関係者の方って。実際に、私も淵底から脱出後、堂々と「タマは自閉症児です。」と言う事で、「うちの家族にもいる。」「友達の子供がそうだ。」など、私達の周りに自閉症の方と関わりのある方は、たくさんたくさんいるってわかりましたから。
日本では、まだお目にかからないこのマグネット。プライベートをブログで晒すのは、本来、私の好む事ではないのですが、敢えて、このブログを書くことで日本でも自閉症への認識度が高まってくれたらという願いを込めています。自閉症児を育てている方、お友達で自閉症児を育てている方、タマを応援して下さる方、どなたでもご応募下さいね。
アメリカ発のtaproot=主根。日本で最初に伸びる根っこ24人になってもOK!
と思う方は、お名前とお住まいの都道府県を記入で、こちら⤵︎   

taproot81614@gmail.com 

にメールを送信して下さいね。
締め切りは日本時間10・25(土)抽選の発表は日本時間10・27(月)です。タマ本人が選びます。